2年。ということはあと1年。

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今でも心がけている設計思想の一つですが、自分が実際に使いたいと思う機能やサービスに絞って作ってきました。どこよりも早く、どこよりも多く、どこよりも分かりやすく、というのが中学生の僕が掲げる差別化戦略でした。Webサイトはちょっとしたテクニックを使えば短期的にアクセスを集めることなど容易いことですが、素直に質の高いものを作り続けることが、長期的にみて長く生き残ると信じていました(目先に利益にとらわれず、しっかりと長い道を見定めなさい、といった類の教えをそのまま実行していたと思います)戦略的に、というより自然な流れで、水平展開や垂直展開のような事もやっていました。(そういう言葉はずっと後になって知るのですが)関連するサイトをいくつも立ち上げ、相乗効果を持たせながら同時に10サイトくらいを運営していました。全サイトへのアクセス数は、2010年までに累計で2億5000万pvを超えました。

起業家志望だという大学生の多くは、ひらめいたアイデアをそのままビジネスモデルだと勘違いしていたり、とりあえず学生であることを売りにしたマーケティング事業をすればいいやといったアイデアしか持ちあわせていないことが多く、あまり僕を刺激させるものはありませんでした。しかし、大学で出会った教授や、クリエイターや技術寄りの人たちとの話はとてもワクワクさせてくれてました。もう一度人生の方向性を少しだけ変えられるとしたら、僕は13歳から毎日プログラミングを勉強したいと思っています。

ずっと長崎に住んでいた僕は、高校時代に週末3日間によく東京にきて色んな人に会っていました。金曜日の夜に飛行機に乗って出かけ、月曜日の一番早い便で帰ってきて午前中の授業はサボるというものです。高校2年生の時には、2週間かけてインドのラダック地方(パキスタンと中国の国境沿いのチベット文化の残る地域で、標高3500メートル、ヒマラヤに囲まれた辺境の土地です)を一人旅しました。

中途半端に株式投資なんかをやってみて、奇跡の大成功なんて得られるはずもなく知った教訓。人生論的な話ですが、「最大の投資は、自己への投資である」という言葉は、あれ以来僕の中に染み付いています。足し算ではなく、掛け算として自分を日々高めていくこと。本を読んだり、人に会ったり、そういったことに惜しみなくお金と時間を使うこと。それらは何年かあとに、何十倍にもなって返ってくるだろうと。14、15歳の時に手にとった、あらゆる本や人々が僕にそう語ってくれました。

僕はなにか新しい大きなことを始めるとき、タイミングをとても大事にしています。そのタイミングは何かというと「環境が変わって、2年後」。


個人差はあれど僕にとって「2年」というのは絶妙な時間感覚で、それ以上も以下もないと思っています。その分野の知識や技術をみにつけたり自分のアイデアや考え方を成熟させるのには十分ですが、1年では短すぎる気もします。また2年以上過ぎてしまうと、多分そのまま「動けなくなる」リスクのほうが大きくなると考えています。
居心地がよくなってしまって思考停止してしまうのは嫌です。もちろん、生き方が上手な人はそんなことはないのかもしれないけれども、僕みたいに不器用な人間は、「いつかやろう」では絶対にタイミングを上手につかめないのです。だから2年を一つの区切りとして、新しく動き始めることをいつも視野に入れています。

10年後の計画なんて考えたこともないし、無理です。人間、勝手に自分は80歳まで生きてると思ってるから、なかなか自分を突き動かしたり、一生に一度の情熱をかけたことにチャレンジしようとしません。あと10年しか自分の情熱や、親と周りから授かった力を試す機会が無いとしたら、どうだろうか。多分きっと明日すぐやるべきことは決まってくるし、今夜だってすぐに動きたくてうずうずして、ぜんぜん眠れなくなってくるかもしれません。その時の、自分の中から湧きでてくる感覚こそが「人生のリアル」です。決して忘れたくないこと。僕は、子供の頃から死ぬことがとてもリアルでした。病気で入院したり、精神的に弱い自分がありました。だからいつ終わってもおかしくない、だったら今やるしかない、みたいな。その10年のなかでも、1日1日が完成された人生である必要があります。毎日1つの成果を出すこと、それが最近の習慣です。僕はそんなふうに、毎日を過ごしてます。