メモ

http://ameblo.jp/japan-mission/entry-10873356391.html

あるとき、社内レイアウトの変更の為に不用品の整理をしていたら「電源の入ってない冷蔵庫」を発見した。その扉を開くと、カビの胞子なのか何なのか、中からもわぁっと黒い粒子が飛び出してきたので「うわぁっ」と思ってすぐ扉を閉じ、「こりゃぁ、もう使えないな」と思って社長(堀江さん)に稟議書を出したのだ。


冷蔵庫処分費 6,000円


その稟議は「もったいない。まだ使えるでしょ」の一言で却下された。「いやぁ〜、ありゃ絶対もう使えないよ」と内心思いつつ、改めて冷蔵庫の扉を開くと、強烈な異臭と何やら黒いドロドロしたものがあちこちに散在していて、異様な空気を放っていたので、面倒臭がり屋の私はしばらくほっておくことにした。


ところが、翌朝出社してみると社長が冷蔵庫を開けて素手でその「異様な黒い物体」を取り除いているではないか。そばでゴミ袋を持つ社員も臭そうに顔を背けながら、いやいや傍に居る感じだったが、社長にそんなことはさせられないと考えて、「すみません、私が代わります」と役を交代。数時間かけて異物を取り除き、冷蔵庫内を(まだ匂いは残っていたが)白くなるまで掃除して、再び使える状態にまで戻してから社長に報告に行った。


「社長、冷蔵庫なんとか使える状態にまで戻しました。」


「なぁ、6,000円の利益を稼ぐのって大変だろう?」


そのときに言われた一言は、今でも強く印象に残っている。


使えるものは大切にする、1円でも経費を無駄にしない、そして体験を通して社員に自ら気付きを与える姿勢は、誠実な経営者の姿そのものではないだろうか。

こうして後日語られ、さらに多くの人の気持ちを動かすほどの体験を与えるということ。


誰よりも株主の利益を考え、誰よりもお客様(ポータルサイトの利用者)の利便性を考え、資本主義のルールに忠実に従った結果がこの実刑ならば、いったい誰が起業家を目指すというのだろう。

出る杭が打たれる社会ならば、誰が新しいことにチャレンジしたいと思うだろうか。

ライブドア事件の前年、高校生のなりたい職業No.1は「起業家」だったのに、翌年には「公務員」に代わっていたことが、私には悲しかった。若者が希望や野心を持たず、チャレンジもせず、安定を求める社会に活力を期待できるだろうか。


既得権益を持つ60〜70代の大人にも立派な人物は居る。官僚や大企業にも尊敬できる人物は居るし、私も出逢ったきた。しかし今の社会を観るに、何故多くの組織や立場ある人々の振る舞いに酷い私心を感じ取らざる得ないのだろう。

いい文なので。