メモ

http://www.1101.com/ametalk/2009-10-30.html

糸井 芸人さんたちって、特に、
階層として低いふりをしてるでしょう?
糸井 社会が無意識で持っている、ある種の見方を
利用して育った人たちだとも言えます。
昔だったら博士や政治家になった人が
いまは芸人になってるんじゃないかな?

糸井 うーん‥‥それはきっと、
自分がもともとは
ゼロだということが
痛いほどわかってるからですよ。


加地 ああ! それは、ぼくもそうなんです。
最近それに気がついたんですけど
そう思えてから、
ほんとうに楽になりました。


加地 ぼくはクリエイターでも何でもありません。
ゼロからは何にも思いつかないです。
この世界に入った頃、
放送作家の人、芸人さん、
みんな新しいことを
ゼロから思いついてすげぇなぁ、
俺はこの世界では生きていけないなぁ、
と思ってました。
でも、ゼロのぼくが何をしなきゃいけないのか、
この頃だんだん見えてきたんです。
あっちで得た経験をこっちに活かしたり、
スタッフをこう固めてみよう、
芸人さんが考えたネタをやっちゃおう、
ほんとうにいろいろ出てくるんです。

糸井 うん。だけど、ゼロって、
1だの10だののふりをしないと、
みんなの票が入んないんですよ。
そのうち、それに耐えられなくなります。


糸井 1だ、2だ、合わせて10だ、
と言いたくなるところを、
それはもうおまけの話なんだと思うことにして、
自分はゼロだと言い張ってたら
おもしろいですよ。
それ、できる人、少ないですから。


糸井 逆に、負であることは
ゼロよりも強いんですけど、
負は、成り上がって満足したら
おしまいになってしまう。
それは、矢沢永吉さんが、
ずっと苦労なさっているところです。


糸井 負で反抗するのでもない、
正で権威をふりかざすでもない、
ぼくはわからないけど、という態度で
どんな人ともちゃんとつきあえる。
芸術家が来ても、資産家で威張ってる人が来ても
へっちゃらです。