メモ

自分の考えたアイデアを内緒にしたがるひと
http://d.hatena.ne.jp/kawango/20090605/1244190501

でてくるアイデアというのは、算数でいえば計算結果にすぎない。


5X7=35  という計算式に例えると、


(a) 経験と知識 → 5とXと7という記号を知っていて、計算式を理解できること
(b) ひらめき → 一桁の数字2つをかけざんする計算能力
(c) でてくるアイデア → 35


にそれぞれ相当する。このなかでもっとも価値が低いのは(b)で、企画に必要とされるロジックなんでだれでも理解できるようなものしかないから、人によってほとんど差はつかない。(c)も(a)から簡単な(b)をつかって導き出されるだけだから、結局のところ、(a)のぶぶんがどれだけのパターンに対応できるかということが、一番重要ということになる。

  • この定式化は本当に秀逸。そのあとの解説も「この式によってわかること」を端的に説明していて素晴らしい

ようするになにがいいたいのかというと、知識も経験も足らない人間が、後生大事に自分の思いついた計算結果を内緒にしていても意味がないということだ。アイデアを他人にぱくられるのを恐れているのは非常に滑稽で、アイデア自体に価値なんてない。同じ知識と経験をもつひとは、だれでも同じアイデアは思いつく。だから、本当にアイデアをぱくるためには、背景となる知識と経験までぱくる必要がある。そこまで含めてぱくられる程度のアイデアだったら、しょせんその程度の価値でしかないということだ。


まあ、ぱくるぱくられる以前にそもそも知識も経験もないひとが思いつくアイデアなんて、あっているにせよ、平凡なので無価値。まちがっていたら、ゴミでしかないわけで、いずれにせよ価値がない。


なんで画期的なアイデアを思いついたひとは、よほど自分の知識経験の量に自信があって”だれにも”負けないとか思っているのでなければ、他人に話して意見をきいたほうがいい。たぶん、間違っているか、すくなくとも画期的ではない平凡なものであることにきづくだろう。

  • 最初「新しいものを生み出すのはすごく時間かかるけどぱくるのは一瞬じゃない?」と思ってしまった
  • ただ、ニコ動と「一見」同じように動くシステムは作れても、それを取り巻く現象そのものをまるっとぱくるのは大変に難しいわけで、そういうことかと納得

ああ、あともうひとつ追加。もし本当に画期的なアイデアだったら、背景となる知識・経験が他人とちがったものになっているはずなので、しゃべっても絶対に理解してもらえないから大丈夫。おれの過去の経験でも大成功するプロジェクトは、だいたいキックオフ会議の雰囲気が最悪になる。「あー失敗プロジェクトに関わってしまった」というものいわぬ顔で満ちあふれる。そういう企画が成功する。そういうアイデアに価値がある。


これはタイムリーに励みになる。
なんでこんなに理解されないかな、っていう理由がスッキリわかった。
知識や背景が違うからだ。
そして「一般の人」についての知識や背景においては、相当に自信がある。